中年空手のすすめ
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中年からでも空手は始められるか?
今からでも強くなれるのか?
道場の選び方
子供と一緒に空手を習う
中年空手マンの心得
 

(中年からでも空手は始められるか?)

 僕は37から空手を始めました。体は大きいですが、持久力には自信がありません。心臓にも疾患があり、毎日薬を飲んでいます。それでも、十分楽しめてます。
 僕も空手を始めるとき、稽古についていけなくて気分が悪くなったりするかも知れなという不安がありました。また、怪我でもして仕事に差し支えるようになったらまずいという気持ちもありました。
 しかし、自分の体力に合わせて無理なく稽古していけばだんだん体は鍛えられ、次第に稽古の質も量も上げていけます。
 無理しない。自分の体力に合わせて。そう考えて取り組めば全く問題なく、空手マンになることができます。
 

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(今からでも強くなれるか?)

 結論から言えば強くなれます。
「どうせ今からやっても若い奴にはかなわない」
 そう思うでしょう。
 そりゃ、若い肉体を鍛えに鍛え抜いて訓練している現役選手の空手マンにはかないません。おじさん、おばさんなんですから。
 しかし、今のあなたが3人で取り囲んでも勝てないあなたができあがることは確かです。
 オヤジ狩りの若者が、「あれ、こんなハズじゃなかった。なんかこのオヤジ強い。やばいかも。逃げよう」と、そう思うくらいのあなたはできあがります。
 誰かに注意しなくてはならない。でも、下手なことを言うと殴られるかも知れない。そう思うと足が震えてしまっていたあなたの足が震えるどころかいつでも蹴りがとばせる武器に変わるでしょう。そして、なぜか暴力とはまるで関係のない部分にまで自信が出てくる。そこまでは請け合いましょう。
 でも、やっぱりK1のスター選手になったり、銃やナイフを持った相手を一撃で倒したり、牛を素手で殺したりすることはたぶんできません。
 それでも良ければいっしょにやりましょう。

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(道場の選び方)

 まだまだ経験の浅い僕の話ですから、これが絶対というわけではありませんが、僕なりの考えで道場の選び方をお話ししましょう。また、ここでは仕事を持ち家族を抱え、限られた時間で空手をやろうという中年をターゲットにしていますので、血気盛んな若者の場合、いささか異なることになるでしょう。

 空手を始めようとする人がまず悩むのは、「どの道場へ行くか」です。そして、このことが空手を続けられるかどうか、楽しくできるかどうかを決定づける、もっとも大事な決断事項です。
 空手は流派によって流儀が違います。寸止めがあり、防具空手があり、フルコンタクト空手があります。そしてそれらの形態もさることながら、同じ流派でも道場によって稽古や試合の仕方はいろいろです。
 そこで道場選びでは「どの流派がよいか」なんてことを多くの人が最初に考えるようです。僕に来る相談もそのような物が多いです。
 しかし、空手を習い始めてからの悩み相談内容は、「流儀が合わない」などという内容は全くなく、指導者に対する不信感や仲間とうまく行かないなどの、人間関係についてのものばかりです。
 つまり、どうやらもっとも良い道場というのは、指導者や道場生達との人間関係がうまく行く道場というのが第一であって、流派や会派はそのあとの話にすべきのようです。
 さて、その道場選びですが、次のようなステップでこないます。
 1 道場をリストアップする
 2 見学する
 3 体験入門する
 4 続けるかやめるか決める
 以上。

 では少し詳しくお話ししましょう。

1 空手道場をリストアップする
 まず、通える道場を選び出します。道場の存在は例えば以下の方法で見つけだします。
@ ホームページで検索
A 電話帳で検索
B 口コミ
C 講座を調べる
D 街で見つける

 ホームページの掲載はどんどん増えてますがまだまだです。電話帳は、専用の道場を持っていないと載っていないので、あまり掲載がありません。道場運営を生業にしているような人が少ないので、公民館などを借りてやっている道場が多いです。口コミでは大して情報は入らないでしょうけれど、実際にやっている友人がいれば、気分的にも入門しやすいです。それからカルチャーセンターや市民会館で空手教室を探すのも有効です。これは結構見つかると思います。それから、街を歩いているときに空手道場の看板があったらチェックしておきましょう。
 つまり、空手道場というのはまとまって「こんな風にあります」というリストが全くないのであります。

2 見学する
 とにかく見学して、あなたが楽しく道場通いできるかどうかを判断します。見学すら認めないと言う道場があります。それでも魅力的な有名な道場と思えばそれもいいのかも知れませんが、僕としてはそういう偉そうな態度の道場はパスです。見学のポイントは判断基準は次のようなものが考えられます。
@ 立派な指導者がいること。
 組織の善し悪しはほとんどトップで決まってしまいます。
 先生に不信感があると、面白くなくなります。人間的に100%を求める必要はありませんが、大事なことです。空手はやり方によっては危険な武道です。ですから、指導者を信頼できなかったら怖くてたまりません。
 かつて学校の運動部で訳の分からない苦行を何の考えもなしに強いていたいたようなタイプの指導者だったら、パスしましょう。
 みなさんは家族を抱え、職場では責任ある立場にあります。体をこわしたり仕事に差し支えのある怪我をして当然であるような指導方法であれば、中年空手にはむきません。その辺の先生の方針を伺っておくといいでしょう。
 それから、人間的にも尊敬できるような人だと言うことはありません。
A 話の合う道場生がいること。
 他の道場生と年齢的が極端に離れていたりすると稽古方法などで問題が出てくることはもちろんですが、話が合わないからつまらないということも出てきます。それから性別も関係あるでしょう。女性でしたらやはり他の女性がいる道場の方が何かと良いでしょう。
 まじめに空手だけをやり、さっさと帰っていく道場もあれば、稽古のあとに和気藹々と談笑したりする道場もあります。これはみなさんのお好み次第です。僕が所属する現空研では毎回現空研第二部という名で酒を飲みますが、これは空手談義による一種の稽古です。と、いうことにしてます。
B 稽古日と稽古内容
 週に1度の道場もあれば毎日の道場もあります。毎日やっている道場の場合、曜日によって違うメニューにしているところもあります。その場合、毎週同じ曜日に行くと特定の稽古以外お目にかからないことになり不都合です。ですから、自分がいつといつ通えるのかを考えるべきでしょう。そして問題は稽古内容です。無理がないようにやっているかとか、ちゃんと指導してくれるかとか、じっくりみましょう。道場生だけで勝手にやっているといういい加減なところもあるようですから。
C 月謝
 費用がいくらかかるかは無視できません。安いところでは無料。高いところだと月に1万円以上の月謝が必要です。傾向として、空手を生業にしている先生が経営する道場は高く、そうでないところは安いです。月謝以外にも昇級昇段審査でお金がかかります。これも帯代(昇級で帯の色が変わることがあるので)などの実費で済むところと、何万円もするところがあります。高いところではこれが払えなくて昇級昇段審査を受けないと言う人もいるくらいです。流派である程度高い安いの傾向はあるようですが、結局は道場によって費用は違うようです。
C 設備が揃っていること
 @、A、Bでほとんど決まってしまうと思いますが、同じくらい魅力的な道場があったら、サンドバックやまきわら、そのたトレーニング設備があればそれもポイントとなるでしょう。

3 体験入門する
 これをやっているところは、それだけでかなりいい道場だと言えます。空手の世界は悲しいかな「自流派は最高だ。他流派なんて……」と他を排除する傾向が非常に強くあります。だから、どうぞ比べてくださいというような気持ちがない。空手をやるならうちに来い。他と比べるなんて言うなら来るなという気持ちがチラチラ出てきます。
 ですから見学の際にも、他流派の話とかはしない方が無難です。そして、できたら体験入門をして、ゆっくり判断しましょう。
「この道場は良さそうだ。でも体験入門のシステムがない」と言う場合には、とりあえず入門してしまうのも一つの手です。

4 続けるかやめるか決める
 入門したら、しばらくは自分の中では体験入門のつもりでいましょう。それくらいの方が気が楽です。というのは、道場選びを失敗しているかも知れないからです。
 失敗だったと思ったら、とっととやめましょう。それでいいです。自分にあった、続けられる道場を早く見つけることが大切です。 

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(子供と一緒に空手を習う)

 僕が空手を始めたのは、子供に空手を習わせたいからでした。そして、「子供と一緒にやりたいのですが」というメールもよくいただきます。
 しかし、僕はあまりそれをお勧めしません。これはあくまでも僕の私見(このHPにあるのはみんなそうだけど)ですが、子供と一緒に一から始めるのはおよしなさいと、僕は言いたいです。
 僕は図らずも自分だけ入門して黒帯になり、それから子供(小学校2年です)が入会しました。すぐにいやになって「やめたい」と言い出すだろうという心配もよそに、息子は毎週空手を楽しみにしています。
 空手をやるようになってから、息子はいままで以上に僕にくっついてくるようになりました。僕と接するのが楽しいようです。しかし、息子の気持ちにどういう変化が生じたのかその時はわかりませんでした。
 ある日、息子の学校で「家族一人一人のどこが一番すきか?」を書く宿題が出たのです。そしてその答えを妻から見せてもらったら、父の欄にはこう書いてありました。
「空手の黒帯なところ」
 それを見て僕は昔のことを思い出しました。
 僕が子供の頃、父親と一緒に剣道を習いました。父は学生時代剣道をやっていたので、初心者ではありませんでした。だからすぐに段をとることができたのですが、それでもはじめ、久しぶりに竹刀をもった父はうまく体が動きませんでした。そのとき、へっぴり腰になっている父を見て僕はショックを受けた記憶があったのです。
 自分が習おうとしてるものなら、当然父親は上手なはず。他の人よりもずっと強いはずだと子供は期待してます。
 子供にとって、父親は一番強い父親なんです。
「おとうさんは初心者だから下手くそなんだ」
 これは正直かもしれませんが、幼い子供にとってそれは大変なショックです。父親は幼い自分を無条件で守ってくれる、もっとも強い存在だからです。
「おとうさんも初心者だから、一緒に習おう」
 これはほほえましい気もします。僕もそう思っていました。
 しかし、父親は子供とおなじレベルに立ってはいけない。常に「おとうさんて凄いな 」と思わせるべきです。
 手が大きかったり、雑巾を絞る力が凄かったり、自分が開けられないビンのふたを開けられる父親は、子供から見て大変な存在です。その憧れを否定することになりかねません。
「子供の視線に合わせる」とよくいいますが、これは子供とおなじレベルでやろうということではないはずです。
 僕は道場で息子に、大人に対する態度、口の聞き方、礼儀などを教えています。そういう教育をするのに道場は非常にいい場所だと思っているのです。
 そのためには、僕がその道場で黒帯であることは大きな意味があるように思います。
 子供と一緒に空手をやりたいおとうさん。まずあなたが入門し、黒帯をとったら子供を入れてください。僕はそれをお勧めします。

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(中年空手マンの心得)

 空手でもっとも強くなる基本的なことは「つづける」ということです。そして、限られた時間の中で、仕事や家事に関する責任を負いながら、空手を楽しむとなれば、怪我をしないことが非常に重要になってきます。
 怪我をしたがためにしばらく稽古できなくなったり、家族から反対されたり、仕事に支障が出たり。それでは空手は続けられません。
 もちろん空手はもともと危険性を持った武道ですが、それでも心構えとその実践で怪我の有無は全く変わってきます。言い換えれば、怪我をしないための技術は空手の技術そのものの一つです。実際の戦いを考えても、怪我をすればその場で負けになるわけですからね。
 中年が野球をやってちょっと走っただけでアキレス腱を切ったりするはなしはよく聞きます。しかし、若者じゃないぶん、若者の何倍も怪我に気をつければ、問題はありません。
 僕はどんなに遅れて道場についても、すぐに稽古に参加するようなことはしません。必ずきちんと準備体操をします。
 楽しく和気藹々と行う稽古であっても、真剣になるべきところは真剣になり、気を抜きません。突き指をしたときに限って気を抜いたいい加減な突きや蹴りを出しているものです。
 無理をしてはいけません。
 水分が足りなくなったら、稽古の途中でも水分を補給すべきです。
 苦しくなったらかまわず休むべきです。
 無理をせずに、焦らずに、気をつけて空手を楽しむ。それが中年空手マンの心得だと僕は思います。

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